Column
スタッフコラム
世の中の動画広告から成功事例を紹介。なぜこの映像は成功したのか、どんな点が人の脳に作用したのか
普段何気なく見ている動画広告を改めて考察することで、どんな映像が効果的なのかを紐解いていきます。

脳は補完する

クリエイションギャラリーG8

クリエイションギャラリーG8にて行われたアートイベント「UN-PRINTED MATERIAL_BY NENDO」に行ってきた。

デザイナー佐藤オオキ氏が代表を務めるデザインオフィス「nendo」による紙をテーマにした作品が楽しめる。

紙をテーマ、とは言うものの、この展示物に紙はない。 紙でなにかを表現するのではなく 紙らしさとはなにかを突き詰めることで、紙ではない素材で紙を表現するという試みだ。blog08_01b

部屋の一つ、無数のポスターが吊るされた空間。 なにも描いていない。というよりもなにもない。空間である。

「らしさ」を感じる脳

「UN-PREINTED MATERIAL(印刷をしていない物質)」のテーマ通り印刷物であるはずのポスターを輪郭を切り取り再現してみせた。

3D表現で言う輪郭のみを描画するワイヤーフレームに近いが細部にクリエイティブが仕組まれている。

blog08_04b

特に破れた部分が剥がれ落ちてくる点も見事だが、極限までの引き算に「破れ」「折れ」といった「紙らしさ」を感じる表現を最低限残すことにより輪郭からうまく紙を連想させている。 これは脳が持つ高度な仕組みによって起こる現象だ。

空間の「パターン補完」

人間の脳は欠けた情報も記憶から復元して認識できるのだ。

「カニッツァの三角形」は「主観的輪郭」と呼ばれる効果で輪郭を脳が補完することで存在しない三角形を知覚できる。

「カニッツァの三角形」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BD%A2

空間以外の補完

空間のみならず時間もそうだ。

日中のシーンから、夜になった外の景色を1カットでも挟むことで、視聴者を混乱させることなく時間の経過を補完させられる。

映像はすべてのシーンに描く理由がなければならない。必要のないシーンは飛ばしていいのだ。

また、ミステリーに多い「わざとストーリーの結末をしっかりと描かず想像させる」手法もあり、きちんとした意図がある引き算は人の印象に残りやすい。

時間の省略
http://oookaworks.seesaa.net/article/398830140.html

 

音の補完も利く。 電話での会話で電波が一瞬途切れたとしても、文脈から聴き逃した単語を補完することができる。

映像作品もこれらの引き算を巧みに計算することで画面内のストーリーを作り出していく。

逆に今回のテーマ「紙」でいうと、紙らしさを感じる為に必要な要素の方を引き算してしまうと、例え本物の写真を使っても紙を表現出来なくなる。

究極の引き算

映像での表現は対象をどれだけよく観察し、特徴をどれだけ再現できるかで違う物体にも映ってしまう。

人間の脳をいかに騙せるか。デザインは本当に奥が深い。

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